第八章 恋がはじまる

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 作ってもらう気満々の新太に、困ったな、と思いつつも、そんな新太の様子はやっぱり可愛い。さくらもつい微笑んでしまう。 「うーん。じゃあ頑張ってみようかな。リクエストある? 具体的に言って貰ったほうが作りやすいから」  リクエストしていいんですか? そういって新太は思案顔になる。 「えーと……ハンバーグはどうですか? 面倒くさいかな」  家で何度か母親の手伝いで作ったことがあるから、なんとかなりそうだった。 「ううん。ハンバーグね。わかった。やってみる」 「凄く楽しみ」  新太はそういって子どものように無邪気に微笑んだ。それからさくらの手をとって、一本一本指を絡めてぎゅっと握った。
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