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ふう、とひとつ息を吐いてようやく顔をあげる。ゆっくり体を離して、もう一度さくらを見つめた。白い頬が真っ赤になって、黒目がちの瞳が湖水の表面のようにふるふると揺れていた。
新太を煽るような表情のさくらに、うめき声がでそうになった。また心の針がレッドゾーンにはいりそうになる。
「さ、さくらさん、その表情反則……」
「え……?」
意味がわからない、というようにどこかボンヤリした表情で、上目遣いにみつめてくるから。新太はたまらなくなって、もう一度さくらの唇に軽いキスを落とす。
それから過去最大レベルの理性と意思を総動員して、新太はなんとか立ち上がった。
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