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──日本・東京都、文京区。
和風な屋敷や昭和の雰囲気を漂わせる家屋の立ち並ぶとある路地に、“黒理”はある。
…外壁は赤い煉瓦が敷き詰められ、屋根裏部屋がありそうな大きく青い屋根は、まるで異国から迷い込んだかのような佇まいだ。
店の入り口には木々のゲートがあり、通る客の日常をほんの少しだけ忘れさせてくれる。
──黒理(くろり)は所謂猫カフェであり、猫バーでもある。
昼間はカフェで、夜にはバーとなるのだ。そんな風に黒理は、太陽と月のように形を変える。…まぁ、“不思議な店”ってところだね♪
駐車場は軽自動車が2台分、申し訳程度にあるくらい。残念だが、バイクや普通車は駐車不可となっている。(自転車も可)
…まぁ、黒理はそこそこ広いけど、流石にスペースギリギリってことだね。
…うむ。先程から黒理黒理と何だかムズ痒いな…。
──ん?ワタシが誰かって?まぁまぁ良いじゃないか。ナレーターのお姉さんとでもしておきたまえ♪
…おや。そうこうしている内にお客さんが来たようだ。
…フフ♪向こうの床屋の前で鳥のようにキョロキョロし、こちらに興味津々と言った感じの女学生がいる。眼鏡で黒髪の、如何にも猫好きそうなお嬢さんだ。
…さて、ちょっとイタズラでもしてやるとしよう♪
「…ぁっ??」
風を吹かせ、後ろ髪を束ねていたリボンを店の前まで運んでやる。
…すると少女は困ったように、嬉しそうに店内へと向かうのだった。
──ようこそ、カフェ“黒理”へ♪──
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