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「…。」 本で顔を隠しながら店内を歩く都さん。 「ニャ~」「ミャ~ッ」 後を付いて来るルビーとマチルダを無視して本棚へ。 …本棚にはプラスチックの収納BOXがあって、ここに小説を入れて都さんは厨房へ。 「ん♪今日も何時も通りだね…♪」 準備運動に軽く手首をスナップさせて黒店長が呟く。 「じゃあ今日もお仕事頑張って行こー☆」 「はい。」 「ん。」 あたしと黒宮店長と都さん(みやコンビ)。…微妙に噛み合わない女子3人に依る猫バー黒理は、今日も独特なノリで営業を開始するのだった。 店長「…じゃあちょっと掃除してから、お店開けようか?♪」 あたし「はーい。 …て言うか、どうせまた遊んで毛とか落としまくったんでしょ?」 「ぁ、バレた?ぁはは…☆」 「ほんともう…その内朝起きたら猫になってんじゃないの?」 店長はハタキ、あたしと都さんがホウキとチリトリを取って掃除を始める。 「ぁはは♪にゃぁあ~!☆」 「…可愛くない。」 「えぇ~っ。店長ショック…。」 鳴きマネはメチャクチャ上手かったけど。 「ほらぷーさん、ちょっとどいて。」 ぷーさん「…。(ペロペロ)」 「ふふっ…♪はいはい、掃除するからちょっと…。」 「ぁあうん、ワタシが持ち上げるから、ぱぱっと掃いてくれる? …ぅおっ!?…ちょ、ちょっと急いで掃いて、ね…。」 へっぴり腰で膝が震えてる。…ちょっと笑いながら床を掃く♪ ──ぷーさんはスコティッシュフォールドのでぶ猫だ。今年の夏には11歳。人間で言えば60になるらしいおじいちゃん猫だ。 「…。(ペロペロペロペロ)」 「ぁははっ♪くすぐったい…♪あと重い…。」 店長…腰大丈夫かな…。(これから立ち仕事なのに…) 「よいしょっと。ふー…。(重かったぁ…。) 良しじゃあ、ちょっとブラッシングしよっか♪」 「…ぁはは♪良く見たらほっぺたこけてるじゃん♪右頬だけ痩せたね~♪いっそ小顔にしたら?☆」 毛玉用のゴミ箱を取って店長の横に置く。 「うん、ありがと♪ はは、それも可愛いかもねっ☆ よ~しよぉし…☆(ゴシゴシ)」 「…♪ニャ~♪…ンーー?」 …ぷーさんは良くぐったりした感じでだらしなく寝てるから、顔に寝癖が出来やすい。ブラシで撫でられて気持ち良さそうに目を細めてる。…ぁ~可愛い~…♪ 「ミャ~?」 「え、ミアもやって欲しいの…?んーどうしよっかなぁ…ん~、じゃあ後でするからね。 真理、厨房にミア用のブラシ置いといてくれる?そうすれば待っててくれると思うから♪」 「あーうん、分かった。良しおいでミア♪」 「ミャ~~?(テクテクテク)」 ──猫バー黒理。開店まであと5分。…なのに店はもう大忙しだ…♪
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