9人が本棚に入れています
本棚に追加
「…。」
本で顔を隠しながら店内を歩く都さん。
「ニャ~」「ミャ~ッ」
後を付いて来るルビーとマチルダを無視して本棚へ。
…本棚にはプラスチックの収納BOXがあって、ここに小説を入れて都さんは厨房へ。
「ん♪今日も何時も通りだね…♪」
準備運動に軽く手首をスナップさせて黒店長が呟く。
「じゃあ今日もお仕事頑張って行こー☆」
「はい。」
「ん。」
あたしと黒宮店長と都さん。…微妙に噛み合わない女子3人に依る猫バー黒理は、今日も独特なノリで営業を開始するのだった。
店長「…じゃあちょっと掃除してから、お店開けようか?♪」
あたし「はーい。
…て言うか、どうせまた遊んで毛とか落としまくったんでしょ?」
「ぁ、バレた?ぁはは…☆」
「ほんともう…その内朝起きたら猫になってんじゃないの?」
店長はハタキ、あたしと都さんがホウキとチリトリを取って掃除を始める。
「ぁはは♪にゃぁあ~!☆」
「…可愛くない。」
「えぇ~っ。店長ショック…。」
鳴きマネはメチャクチャ上手かったけど。
「ほらぷーさん、ちょっとどいて。」
ぷーさん「…。(ペロペロ)」
「ふふっ…♪はいはい、掃除するからちょっと…。」
「ぁあうん、ワタシが持ち上げるから、ぱぱっと掃いてくれる?
…ぅおっ!?…ちょ、ちょっと急いで掃いて、ね…。」
へっぴり腰で膝が震えてる。…ちょっと笑いながら床を掃く♪
──ぷーさんはスコティッシュフォールドのでぶ猫だ。今年の夏には11歳。人間で言えば60になるらしいおじいちゃん猫だ。
「…。(ペロペロペロペロ)」
「ぁははっ♪くすぐったい…♪あと重い…。」
店長…腰大丈夫かな…。(これから立ち仕事なのに…)
「よいしょっと。ふー…。
良しじゃあ、ちょっとブラッシングしよっか♪」
「…ぁはは♪良く見たらほっぺたこけてるじゃん♪右頬だけ痩せたね~♪いっそ小顔にしたら?☆」
毛玉用のゴミ箱を取って店長の横に置く。
「うん、ありがと♪
はは、それも可愛いかもねっ☆
よ~しよぉし…☆(ゴシゴシ)」
「…♪ニャ~♪…ンーー?」
…ぷーさんは良くぐったりした感じでだらしなく寝てるから、顔に寝癖が出来やすい。ブラシで撫でられて気持ち良さそうに目を細めてる。…ぁ~可愛い~…♪
「ミャ~?」
「え、ミアもやって欲しいの…?んーどうしよっかなぁ…ん~、じゃあ後でするからね。
真理、厨房にミア用のブラシ置いといてくれる?そうすれば待っててくれると思うから♪」
「あーうん、分かった。良しおいでミア♪」
「ミャ~~?(テクテクテク)」
──猫バー黒理。開店まであと5分。…なのに店はもう大忙しだ…♪
最初のコメントを投稿しよう!