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「いらっしゃいませ、子猫ちゃん☆」
「あら。あんた初めてよね?♪この店を見つけたこと、褒めてあげるわ!」
「も~ダメだよまりにゃ~?ほら、お客様には何て言うの?僕はきちんと教えたハズだよ?ん?♪」
「うるさいわね!それくらい覚えてるわよ!」
──やれやれ、全くこの2人は仲が良いことで♪
…一見さんの少女に対して独特な態度で喜ぶツンデレ店員、真理(マリ)と。
客には猫背を正しアメのような王子様スマイルで接し、真理のツンデレにはムチを向けるこの男こそ、黒理の店長…通称“黒店長”である。
「…ぁ、あのぉ…?」
「申し訳ございませんお客様。ようこそ、猫カフェ黒理へ。1名様ですね、席にご案内します。」
──奥からもう1人、灰色に近い肌をした少女…シャルが現れテキパキと客を案内する。
「ほら、“いらっしゃいませお客様”だ。言ってご覧?☆」
真理「い、いらっしゃいませお客様…」
「ん~愛嬌が足りないメイドだなぁ、“ご主人様”の方が好みだったかな?♪」
「い、いらっしゃいませお客様!☆」
「アッハッハハハハ!♪」
来客をほったらかしに、真理を“顎クイ”で虐めるドS…うん♪今日も黒理は平常運転だ☆
「…。」
「…何か?」
「…ぁ、すみませんつい…。」
「…。」
シャルが馴れた顔で次の行動に移る。
…お客様の視線は黒店長の頭上へ。
「ん?何かな子猫ちゃん?☆」
…誤解の無いように言って置くと、少女は子猫では無くただの人間である。
…寧ろ、この店長を含めた3人のスタッフこそ、耳や尻尾が生えて猫のようじゃないか…と少女は言いたいに違いない。♪
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