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「ぁ~…癒されるー…♪」
「…ふふ♪余程お疲れのようですね。」
愉悦に浸っているのか、シェイカーを振るジェスチャーのドS。それを見て、ヨウコさんがメニューに目を通す。
…何を隠そうこのドS、こう見えてプロのバーテンダーである。(ドSだが)
「ん~…何だっけ、あのパイン系の…」
「パイン系、ですか。」
ドSは分かっていてすっとぼけている。
??「ピニャ・コラーダ…じゃなかったっけ。マンゴー入りの。」
「あ、リッキー♪久しぶりだねぇ~☆」
「久しぶりっす、ヨーコさん♪」
リキ。早い話が女性好きの男性店員で店長のライバル的存在だ。マイルドめのS。
…バーに顔を出すことが多いからか、客からは『リッキー』と言うあだ名で呼ばれている。
サイズの合わない洋服を着てそれとなーく筋肉を強調したり、雑用を率先して引き受けたりと、ちょっとあざといところもあるイケメン猫店員である。
「あー確かそんな名前のやつ!♪」
「…マンゴー入りのピニャ・コラーダですね。畏まりました♪」
ポーカーフェイスでカクテルの用意を始める店長だが、耳が所謂伏せ耳になっている。全く何もしていないがお姉さんしてやったりだ♪
「…こんばんは、お姉さん。」
「あ、ラテくんだ~♪珍しいーおいで~☆」
…この店はスタッフが全員猫耳だったり、猫と同じ名前の何か似た雰囲気の店員が入れ替わりで登場するのだが、それに疑問を抱く客はいない。
更に言えば猫の年齢と店員の年齢が合っていなかったりもするが気にしてはいけない。ここはそう言う不思議な店だからね♪
「よぉしよし…♪」
『…。』
ラテが女性客に撫でられているのを羨ましそうに眺めるサド2匹だ。
「…全く、男って…」
…尻尾をブンブンと横に振り、今にも爪研ぎでも始めそうな真理さんである。
「ニャ~…。」
真理を宥めるように、子猫が擦り寄る。
客からは『永遠に大人にならないで』とも言われているスコティッシュフォールド(オス)のアキラ、先月生まれたばかりの新猫だ♪
「ん…ありがと。
アキラはあんな風になっちゃ駄目よ?うりうりゃ~♪」
「ニャ~?」
アキラを抱き上げ、もふもふ撫で撫でする真理。
黒「…フ♪」
…まぁお楽しみは後に取って置くかと、静かにシェイカーを振る“あんな風”代表の店長であった。♪
~猫プロフィール~
☆アキラ☆
真理に懐いており、弟分のような猫。店の中では1番の年下。
よちよちと歩いてはすぐに寝てしまう天使。
毛並みはグレーの単色(ソリッド)。…グレー系多いなこの店。
※命名は真理。何故かどうしても思い付かなかった為に某芸能人から取ったらしいが、アキラには知る由もない。
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