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──木曜日。今日は黒理の定休日だ。
「さて!掃除を始めるわよっ!」
『おー。(♪)』
今週の掃除当番は真理、シャル、朱莉の3人(匹)。
他の店員は今日は遊びに行っている。その理由は彼女達の服装からも分かる通り…
「う~アカリこれ苦手~…。」
シャル「我慢して。」
「うん!♪」
…ぁあええわ~…♪…じゃなくてナレーションナレーション…!
彼女達が今着ているのは安物のレインコートだ。
…つまりは抜け毛対策である。
人間の姿に変身していても抜け毛は止められないからね。普段着ている服はあれ、毛が変化しているものだし。綿ぼこりの代わりに毛玉が落ちるのである。
「ふ~ふ~ん♪」
鼻歌交じりに箒で床を掃く真理。
「ふ~んふ~♪」
朱莉はコロコロで床を…
「ふーふふーん♪」
「朱莉、もうそこは良いから。」
窓にスプレーを吹きつつ朱莉のフォローもするシャル…しっかりさんである。
…因みに、店には掃除機やロボット掃除機もあるのだが。…少しその時の話をしようか。
「あー君達、来週掃除当番だよね?ちょっと見て欲しいものがあるんだけど…。」
『…。』
ドS店長に『見て欲しいものがある』等と言われれば警戒しない人(猫)はいないだろう。(お姉さんもこの時はカエルとかが出て来るんだと思ってた。)
シャル「店長これは?」
「じゃ~ん!今話題のロボット掃除機だ!」
アカリ「ロボットそーじき!?なにそれすごーい!!」
ぴょんぴょんと喜ぶ朱莉。癒し系だ。
「…ふ、ふん♪」
真理さんの様子がおかしい。尻尾を振るスピードが尋常じゃ無い。
「まぁ、説明する程のことでも無いんだけど…ここのスイッチを押すとだな。」
「□□□□…」
ロボット掃除機が動き出した。ここまでは良かった…
「フー…!フーッ!」
朱莉が猫化し、掃除機を威嚇している。
「…。」
シャルは一見無反応だが…爪研ぎと垂れ耳から余り良い気分で無いことは伝わって来る。
そして真理は…
「ウニャ~ッ!ニャーッ!♪」
黒「…しまった、こうなったか~…。」
朱「ウー…ウ~…。」
シャ「ウー…(グルグルと唸っている。)」
「□□□□…」
「ニャァアアッ!」
真理が掃除機を追い掛けて椅子やテーブルを薙ぎ倒す…。
…『このあと滅茶苦茶お仕置きされた』真理さんだった。
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