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「アイス♪アイスっ♪」 既にボウリングのことを忘れていそうな朱莉。可愛い。 『…。』 そしてこちらは忘れるどころか普段の鬱憤を晴らさんと、見えない火花を空気中に散らせるお二人。 1フレーム、シャルの一投目。 「すー……ふっ。」 整った美しいフォームで投げられたボールは弓なりの軌道でレーンを滑り、手前のピンへと斜めからぶつかって行った。 ──倒れたピンは10本。ストライクだ。 「…。」 結果に顔色1つ変えず、クールにふぁさっと、長い髪を掻き上げるシャル。 「シャルねえすごーい!♪」 「…まぁね。♪」 「む、むむっ…!」 朱莉に答えたあと、一瞬だけ自分にドヤ顔を見せたように感じて腹を立てる真理だ。(実際は朱莉に笑い掛けただけなのだが。) 「むきゃーっ!ふっふっ!」 グルグルと腕を回し、しゅっしゅっと猫パンチをしてボールを取る。 「ふ~…よっ!ぁ!?」 先程と微妙に違うフォームで投げられたボールは即行でガーターへ。 「下手に人の真似なんてするからよ。」 因みに今度は笑いながら言っている。どうやら、勝負が楽しくなって来たらしい。 「マネなんかしてないわよっ!あとヘタって言うな!べ~!」 …今どきあっかんべーて。古くない? 「…いーだっ!」 シャルだけ1フレーム1投なのはずるい、とかそんな意味だ。そしてそれも古い。 「ふー…ぁよっと!」 またフォームが変わっている…が、今度はボールが真っ直ぐ進み、倒れたピンは7本。 「ぃよっし!♪」 「まぁまぁね。」 「むっ!」 …シャル、真理と投げ終わり、次に投げるのは… シャ「…朱莉?」 「すぅー…すぅー…」 真「もう寝てる…ってか、こんだけカコンカコン鳴ってる中で良く寝られるわね…♪」 「そうね。♪」 そう言いつつボールを取り、少し進んで直ぐ様それを投げるシャル。 カコーン!またもストライク。 「…次よ。」 「わ、分かってるわよっ!!」 …この後、シャルの集中力に引っ張られるように真理もそこそこのスコアを叩き出し…接戦を制したのは真理となった。
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