本屋大賞ノミネート作品読破。

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さてさて、私的な本屋大賞を考えてみたいと思います。 まずは恩田陸著の『蜜蜂と遠雷』ですが、これが私は心に響いた気がします。 ピアノコンクールの物語なのですが文章なのに音楽を感じてくるのです。 まるでコンクール会場でピアノの奏を聴いているような気さえしてきました。 けれど、直木賞受賞作なのです。だから、本屋大賞には選ばれないのではないかと思うのです。 この理由と同じで村田沙耶香著の『コンビニ人間』も選ばれないのではないでしょうか。 芥川賞受賞作品ですからね。 私が迷ったのは3作品です。 村山早紀著の『桜風堂ものがたり』と小川糸著の『ツバキ文具店』と森絵都著の『みかづき』です。 どの作品も私はウルッときましたね。 『桜風堂ものがたり』は書店員の物語で心温まる物語。 書店員に追われた万引き少年が事故で怪我を。少年は心から謝罪するんです。 そこで世間は書店員を責めて辞めることになって……。 いろんな思いが込み上がってきますよ。 でも、温かい人の心もあってね。そこにウルッとくるんです。 『ツバキ文具店』は文具店だけど代筆屋でもあるんですよね。 手紙の良さを再認識した作品で心に沁みます。 心がある手紙がここにはあります。ただ代筆するってだけではありません。 『みかづき』は教育問題をテーマにした物語。 戦後から平成へと時は流れていくんですけどね。 塾って何ってころから始まるんです。そこに関わった大島家の家族にも注目したいところです。 三世代に渡って教育問題に関わる大島家。そこには家族のいろんな問題もあるんですけど、深く感じることも。ウルッとくる場面もあります。 千葉が舞台で感情移入しやすかった物語でもありました。(私個人的なことですが) なんて書いてみたものの森見登美彦著の『夜行』が気になってきましたよ。 不思議な感じの物語でしたから。 もしかしたら、これは好き嫌いがわかれるのかもしれません。
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