全3/4エピソード・完結
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 その日はあいにくの霧雨だったけど、店の前にきたらもう五人が集まってた。 「遅せーよ」って肩を叩かれたけど、みんな嬉しそうだった。 「金もらえるんだって?」って谷野がいってきたから「おう、あの店はぜってー流行るよ。めちゃ旨いし金もらえるし、いいこと三昧!」ってぼく。 「それで店の名前売るって、実はスゲえやり手かも知れねえな? いつまでも記憶に残るし。でも看板ないけど」 「そうさ。隠れ家的な店とかって思ってるんじゃね? ああ、ここここ」  今日もピエロがマイクを握っていた。 「恒例の還元デー、本日が最終日。最終日でございます。今夜も限定五十名さまです! お時間のある方はどうぞ中にお入りください。ただし口外だけは厳禁ですので、くれぐれもよろしくお願いいたしますよっ」  五時になると客がなだれ込んでいった。入り口であのオバサンから、今度は紫色のSDカードみたいのを受け取って、席についた。ナイフとフォークが並んでいる。
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