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店長はグッと親指を立て、
「お前ならイケるよ!そのまま帰らせるか、買い物するなら買い物させろ!」
と言った。
「マジっすかー」
やだよ、酒臭いし、何か絡まれそうで怖いよ。
「大丈夫だ!見守っててやるから!」
「おぉーい。おねーちゃーん」
「…呼んでるし」
まさかのご指名、ありがとうございます。
このご指名はありがたくないけど。
やだよー、怖いよー。
「はい!何でしょうか?」
そう思ってることは顔には出さずに営業スマイルで振り返る私。
我ながら凄いと思う…。
「…あのなぁ…」
「はい」
「…ちょっとなぁ…」
「はい」
「…飲みすぎてまってなぁ…」
「大丈夫ですか?」
「………」
「あの~?」
「…………」
わぁ、黙りこくっちゃったよ~!
どうすればいいの、コレ?
収拾のしようがない気がするよ…。
そしていい加減チャイムもうるさい!
自動ドアも開いたり閉まったり、忙しそうだし!
──…もうやだ。
私の心は早くも半分折れかけていた。
助けての意味を込めて店長を見たけど、こっちが見た瞬間にそっぽ向きやがった!
裏切り者めぇぇ!!
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