TRUTH

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 手動の引き戸を開けると、まるで旧日本で運用されていたローカル鉄道のボックス席がラウンジ中央に鎮座している。    変わった箇所を挙げるなら、ボックス席の中央に大きなテーブルがある事。  もう一つは女が前途した通り、この列車は軍用の貨物であるため万が一攻撃に遭った時のために窓には鉄格子と、手動開閉が可能な防護シャッターが取り付けられていた。  女は俺達をラウンジのボックス席へ招くと、その重い防護シャッターを引いてガラス窓を閉ざす。  これから女が話すことは、どうやら誰にも聞かれたくないらしい。  
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