鬼物語-1-

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――そう。 そこはまるで血の海のような場所だった。 充満する血のにおい。 赤く赤く、空も血の色に染まっている。 その小さな世界、いや、人里離れた集落の中。 同胞は死に、あたしも瀕死の重症で“命”が尽きようとしている。 あたしは体から失った“それ”を抱え、慟哭(どうこく)する。 「おのれ!許さないぞ!人間ども!!  よくもよくもあたしの愛する者たちを!」 体中の血が沸騰したような感覚。 あたしは血の涙を流し、怒りいっぱいに叫ぶ。 「この恨み、忘れん!必ず復讐してやる!皆殺しだ、人間ども!!  そして源――」 あたしは激しい憎悪を世界に落とし、そして消えた――
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