4人が本棚に入れています
本棚に追加
――そう。
そこはまるで血の海のような場所だった。
充満する血のにおい。
赤く赤く、空も血の色に染まっている。
その小さな世界、いや、人里離れた集落の中。
同胞は死に、あたしも瀕死の重症で“命”が尽きようとしている。
あたしは体から失った“それ”を抱え、慟哭(どうこく)する。
「おのれ!許さないぞ!人間ども!!
よくもよくもあたしの愛する者たちを!」
体中の血が沸騰したような感覚。
あたしは血の涙を流し、怒りいっぱいに叫ぶ。
「この恨み、忘れん!必ず復讐してやる!皆殺しだ、人間ども!!
そして源――」
あたしは激しい憎悪を世界に落とし、そして消えた――
最初のコメントを投稿しよう!