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スーパーへ行き買い物を終えて、帰っていると「オッス♪」と部活を終えた竜太が立っていた。 「どうしたの?」と千鶴が言うと「家の鍵忘れちまったから、親が帰ってくるまでの間お前ンちにいさせてよ」と困った顔をしながら言うと、頭をポリポリ掻いた。 千鶴は「またぁ?バカねぇ。いいわよ。あっ!ついでに夕食も食べてったら?」と言いながら、竜太を招き入れた。 「お邪魔しまーす♪」と言い、リビングの椅子に座るとリモコンでテレビの電源を入れた。 千鶴が夕食を作っていると「痛っ!」と言った。 「おい、大丈夫か?」と言い竜太は駆け寄り、千鶴の切れた指を咥えた。 「ちょっ…ちょっとぉ!何してんのよっ!」とゆかりが慌ててその指を離すと、竜太が「バカ。いいから黙ってろ」と言い、再び指を咥えた。 千鶴はドキドキしながら「もう止まったし、大した怪我じゃないから大丈夫だよ…」と照れ笑いをしながら離し、指を咥えたまま救急箱から絆創膏を取り出した。 竜太が「ちょっと貸せよ」と言い、絆創膏の包み紙を剥がし絆創膏を取り出し、千鶴の指に巻き付けた。 「これでよしっ…と…」と言い、千鶴の指にデコピンをした。 千鶴は「痛いじゃないのー!」と言い、竜太を叩こうとしたときだった。 腕を掴まれ「痛くねぇだろ?」と至近距離で真顔で言われた。 その顔にドキドキしていると「大丈夫か?」と言い、抱き寄せられた。 千鶴は恥ずかしくなり「もっもう大丈夫だから、テレビでも見てなよっ!竜ちゃんの好きなアイドルが出てくるよ!!だから離して?」と笑いながら言うと「俺、お前のこと好きだ。」といきなり告白をすると、力強く抱きしめられた。
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