【2】

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早苗が「ちぃちゃんと同じ班で、良かったぁ♪」と安心していると、千鶴も「だね♪どんだけあたし達、ツイてるんだろー?」と言いながら、喜んだ。 ふと黒板を見ると、左京も一緒の班だった。 千鶴はドキドキしながら左京をチラッと見ると、左京はずっと窓を見ていた。 あの一件以来、何となく竜太が千鶴を避けているように思っていた。 千鶴も何となくだったが、気まずくて声を掛けづらくなっていた。 あの出来事を早苗に正直に話すと、早苗は心配していた。 「あれから竜太くん、何か声を掛けてくれたりした?」と早苗が聞くと「んー……何か恥ずかしくて、顔も見られないよ…」と千鶴は言いながら、うなだれた。 早苗は上を見上げながら「竜太くんはちぃちゃんのこと好き過ぎて、先走っちゃったのかもね…」と言い、千鶴の頭を撫でた。 「竜ちゃんに合わす顔がないよぉ…」と呟きながら、口を尖らせた。 「ちぃちゃんは竜太くんのこと、どう思ってるの?」と笑いながら言い、千鶴の口を摘んだ。 「うっ…ほへわへぇ…」と言いながら喋ろうとし、慌てて早苗の指を取ると「って喋れるかぃっ!」とツッコミを入れた。 早苗がニッコリ笑いながら「大丈夫だよ♪あまり考えすぎるのも良くないよ♪」と言うと、トイレへと向かった。
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