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「わわわー!遅刻っ!遅刻ー!!」と言い、篠宮千鶴は慌ててリビングへとやって来た。
その様子を見た母親が呆れた顔をしながら「まったく、夜遅くまでラジオを聞いていたからでしょー?ご飯は?」と言いながら、お弁当を渡した。
「だってぇー、あのラジオ楽しみなんだもん!ご飯、いらない!あー!もうこんな時間だぁ!行ってきまぁーす!」と言い、お弁当をカバンに詰め込むと駆け足で玄関へと向かった。
その様子を見て、兄で大学4年生の大和が「まるで台風みたいだな…」と言いお味噌汁を飲むと、父親も頷きながらご飯を食べた。
千鶴は、ごく普通の高校2年生。
いつもとあるタレントのラジオを聞くのが大好きな何処にでもいる女の子。
ただ最近の悩みは、周りの友達に比べて胸が小さいこととまだ生理が来ていないこと。
両親は再婚同士だったから、父親と大和とは血が繋がっていない。
団地の階段を駆け足で降りていると、スカートがひらりと風でめくれた。
千鶴が「きゃっ!」と言い、スカートを押さえると、その場に幼馴染の熱川竜太が立っていた。
「おはよーさん。また寝坊したのか?」と苦笑しながら話しかけると「うー。だってぇ…」と言い、歩いていると「ったく、このねぼすけ♪パンツ、見えたぞ?」と言いながら、頭を軽く叩かれた。
「何すんのよぉー!って、何処見てんのよっ!!バカ!」とふてくされながら、一緒に登校した。
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