【3】

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部屋に戻ると「ったく、鬼ヤンマはいつも話が長いよねー」と千鶴が言うと、早苗や女子生徒たちも大きく頷いた。 「だよねぇ!ていうか、鬼ヤンマって独身らしいよー」と一人の女子生徒が言うと「だからかー!鬼ヤンマと結婚する人って、いんのかなー?」と千鶴が笑いながら言うと、皆一斉に「いないでしょー!」と言いながら笑っていた。 するとまた別の女子生徒が「結婚をするならさぁ、永山先生がいいなぁ♪」と言うと、周りの女子生徒や早苗は頷いた。 さらに「あっ!でも一之瀬くんも捨てがたいよね!」と言うと「隣のクラスの熱川くんもいいよねぇ!」と、段々と話が盛り上がっていった。 千鶴はドキッとし、慌てた様子で「あっあたし、材料を取りに行ってくるね!」と言いながら、コテージを出た。 千鶴は周りを散策していた。 湖畔では、釣り道具を持ってきて釣りをする男子生徒たちがチラホラいた。 すると竜太と昌江が仲良く談笑をしながら、前を歩いていた。「あっ…」と呟くと、胸の奥がチクチク痛くなった。 竜太と昌江は同じクラスで、同じ班となっていた。 竜太が重たいのを持ちながら、楽しそうに談笑をしていた。 千鶴も材料を取りに向かった。 そこに左京が偶然にもいて、ドキドキしていると「どした?」と言いながら千鶴に近付いてきた。 千鶴はドキッとしながら「ううん!何でもないよ!」と言いながら、微笑んだ。 左京が「あんさ、何か隠してない?」と言いながら、千鶴を見つめてきた。 千鶴はその瞳に見つめられると、動けなかった。 左京は鼻でふぅとため息をしたあと「そっか。ならいいか…」と言い、千鶴の頭を撫でた。 ドキドキしながら、俯くと「千鶴、ちょっと散歩でもしない?」と左京が言ってきた。 「いいよ♪」と笑顔で返事をし、歩いた。
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