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扉は開け放ったままで小屋から出る。外は咽ぶような水煙が上がっていた。叩きつけてくる轟音が鼓膜を消耗させる。身体を雨に濡らした。纏った火照りがとれない。地面を這う水流に己の血潮が渦巻いている。赤く、黒く、渦巻いていた。
曝されてしまう。全てが曝されて隠していたものが現れる。厚い雲が天上の焔を覆って、地上が暗愚に翳ろうとも。
曝されればいい。稲光閃けば眼球は飛び出し、雷鳴は何処からでも魔物の腹の音を告げよう。
曝せ。これでは足りない。全てを曝せ。
幾ら流れ出ようとも尽きない。赤黒く溢れ出す。己を囲み、渦巻いている竜の声を聞く。鱗のうねりが均衡を奪う。自由は翻弄される。
全てが、曝されるべきだ。
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