第1章 『神様の悪戯』

10/38
前へ
/141ページ
次へ
  俺達、二人は町にある一つのカフェに入った。 ??「あっ、自己紹介がまだでしたね。私はフィオナ・メルフェと申します」 瑠花「お…──…じゃなかった。あたしは櫻井瑠花っていうの」 フィ「ルカさんですか。良いお名前ですね」 瑠花「歳はあたしと変わらなさそうだから、あたしはフィオナって呼ぶわね」 フィ「では、私はルカさんと呼びますね」 瑠花「呼び捨てでも良いのよ?」 フィ「はい。では、ルカ…で。こ、此れで宜しいでしょうか?」 瑠花「うん。大丈夫だよ。じゃ、あたしから質問。フィオナはどうしてあんなところに居たの?」 フィ「じ、実は…何も覚えていないんです」 俺はズッコケそうになったのを堪えて珈琲に角砂糖を2個入れてかき混ぜてから一口飲んだ。 瑠花「お、覚えてないの?」 フィ「はい…」 フィオナはコクリと頷いた。 瑠花「マジか…参ったな」 俺だって何処に向かえばいいのかわからねぇのに…。 フィ「ルカさんはどちらからいらした方なのですか?」 瑠花「ん…。あたしも分からないのよ」 俺は素直にフィオナに答えた。 フィ「そうなんですか…。あっ、そうだ。私の家に来ませんか?」 瑠花「えっ?フィオナの家に?」 フィ「はい。父に友人としてご紹介致したいと思います。どうでしょう?」 瑠花「ふーん。此処から近いの?」 フィ「はい。此処から近いです。桜の木がある家が私の家なんですよ」 あれ?この世界にも桜が?と、俺はちょっと考えてからフィオナに返事を返したのだった。 .
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加