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ああ、もう
これからふりかかるであろう面倒事への覚悟と共に、和泉の口からは溜め息が漏れる。
「たまたま式部と行った店が、課長の行きつけだったんですよ」
「へぇ。そうなの?」
「あー・・・、まぁ」
歯切れ悪く答える茉莉果にそう言えば、意中の店員の彼はどうなったのかという疑問が頭を過る。
ただ、こんなところでそれを口に出したら、後の友情に亀裂が入ることは間違いない。さすがにそれくらいの分別はあった。
後でラインしてみるか
「納得したところで、仕事に戻ってもらっていいですか?」
頭の中でぼんやり思いながら、主任にそう作り笑いを浮かべる。
「ハイハイ」
納得したのか肩を竦め、彼はつまらなさそうに背を向けた。
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