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「まぁ、君にも原因はあると思うけどね」
女達が去った後、吐かれたその言葉に見せた、彼女の表情は見ものだった。
そんな彼女に気付いているのかいないのか、秋津は続ける。
「まさかとは思うけど、僕が気付いてないとか
思ってた?」
・・・
「君、新藤(しんどう)部長のところの娘さ
んだよね。何が狙いか知らないけど、僕に
対して媚びるような態度は止めてくれない
かな。
正直、不快なんだよね」
そう言われた女は、口元を戦慄かせて涙ぐむ。
「そんっ、な、つもりじゃ・・・」
「言っておくけど、僕は社内の派閥に興味
はないし、そんなものに取り込まれて優越
感に浸ってる君にも虫酸が走るだけで好意
の欠片もない。
僕が欲しいのは、能力だけで愛想はいら
ない。
オーケー?」
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