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テーブルに並べられた台湾料理はどれもクセがなく、和泉の舌を満足させた。
「気に入った?」
「はひ」
「美味しいです!」
「それはよかった」
秋津はそう言って目を細めると、和泉の唇に手を伸ばす。
?
そうやって口元に着いたタレを拭うと、その指を自分の唇に寄せた。
・・・!
「あーあ。何やってるの」
余りの出来事に手にしていたスプーンを落とすと、そんな声が飛んでくる。
「・・・それはこっちの台詞です!」
「ゴチソウサマで~す」
身を乗り出して叫ぶ和泉の横で、ニヤニヤしながら茉莉果が呟いた。
アンタはアンタで何言ってるのよ!
その思いをぶつけて茉莉果を睨むも、彼女に動じた様子はない。
「あ~、羨ましい。やっぱり恋愛結婚よねぇ」
「あれ、式部さんはもうすぐ?」
「残念ながら予定はないです~」
返す言葉が見つからないまま、目の前の二人は話を進めていく。
「オマタセしまシタ~!デザートデス」
「わー!美味しそ~!」
まぁ、なんというか、ちょっとした混沌(カオス)な昼食の席だった・・・。
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