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赤い月が浮かぶ夜空
「お母様はいいなぁ。お父様に助けられて」
蘭は空間の狭間にある屋敷の庭に咲いている白い薔薇の前でため息を吐いた。
「蘭ちゃんにもいつか素敵なα候補がいます」
「……吸血鬼でいるかな?でもライトニング(お父様)の跡継ぎじゃなくても吸血鬼がいいなぁ」
「人狼だったりしたら、首を食い千切られてしまいますからね」
菊の振り袖は涼しい風に吹かれてフワリと靡く。
『菊』
「輝吉さんが呼んでますから私は行きます。蘭ちゃんはもう八十才なんですから、真面目にα候補探してください」
菊はそのまま屋敷の中へと入っていった。
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