序章

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「葬式出すのは兄貴やおかんがいるんで大丈夫なんですが……足がなくて、レンタカー借りようと思ってたんです」 「竜ヶ崎じゃ車でもないとなにも身動きとれないもんな。45ん日レンタカー借りれるぐらいだな……ちょっと待っててね」 そういうと店主は店の奥に引き下がり、しばらくすると、素っ裸の五万円を道雄に握らせ 「阪元道雄のサイン入りの初版本と、独演会の料金だ。返さなくていいが、また本を出せたら、サイン本持ってきてくれよ」 と言った 道雄は、素直に有り難く思い、無言で頭を下げることしか出来なかった
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