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はぁ、また落選か。
心の中で、盛大に溜息を吐く。実際に吐きたかったが、現在地が教室ゆえ控えた。
時刻は12時15分、昼休憩中だ。食事はつい先程終えた。
今は、とあるサイトを見ている。名はエブリハート、小説投稿サイトである。
読むはもちろん、書くことだって出来る。プロアマ問わず、誰でも簡単に小説を投稿出来る有り難い場所だ。
しかも、このサイトには他にはない特色がある。それが、毎月開催の短編コンテストだった。
そこに参加したいが為に、このサイトを始めたようなものである。中学二年で始めて、三年ほど続けている。
毎度、何かしらのテーマが設けられ、そこに基づいた話を書く。完成品を投稿しコンテストに参加。それだけで応募が完了してしまう。
これほど簡単に応募出来るなんて、一昔前は考えられなかっただろう。しかもネットで。
ただ、その手軽さが入賞を困難にしているのも事実だ。参加者の正式な数字は知らないが、生半可な気持ちで入賞出来ない数だとは思っている。
そんなコンテストで大賞を取ることが、エブリハートに登録してからの俺の目標だった。
その為に、隙間時間は全て執筆に捧げた。見直しや修正も何度もした。他の人が青春している時間を、全て注いだ。
趣味としての活動ではあったが、最早趣味の域ではなくなっていた。
けれど、三年経った今でも実は実らない。大賞は愚か、一番下の賞にさえ届かなかった。
けれど、頑張りはいつか報われると言い聞かせ、悩み苦しみながら書き続けている。
次こそは、入賞出来ると信じて。
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