偽りの想い

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偽りの想い

彼と出会った瞬間、呼吸を忘れた それは、俗に言う一目惚れ その声に、笑顔に惹かれて焦がれた 切なくて胸が痛くて… 彼の姿が見えないと、会いたい気持ちが膨れ上がる。 焦がれて止まない彼への想い 彼の全てが愛しくて、穏やかな生活を裏切って一夜限りの禁忌を犯す。 触れた唇 肌の温もり 重なり合う吐息 全てが彼だからだと、そう思っていた 彼の香りに包まれた夜 それは大好きだったあの人の 面影を追っていたのだと思い知らされる そう… どんなに求めても、届かなかったあの人の 面影をただ、見つめていただけだと知った夜 窓の外には1輪の 紫色のシレネの花が 月夜に照らされて揺れていた。
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