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「あ、やっぱり女だと思ってましたか。」
そう言って、クスクス笑っている姿は、女以外の何者にも見えない。
「良く間違えられるんですが、別にオカマさんってわけでもないんですよ。」
眩しいぐらいの笑顔を、惜しみなく向けてくるカリス。まだ、オカマだった方が救いようがある。
「それじゃあ、どうして女物の着物を着けてるんですか?」
春花が、鋭い質問をしてきた。それこそ、この場の誰もが聞きたい質問に違いない。
「それはもちろん。この恰好が一番僕に似合ってるからですよ。」
やはり、ニッコリやんわりと答えるカリス。
あー、そうですね。アハハハハ……。
もはやとどめを刺され、誰も反発しようとは思わなかった。
乾いた空気が流れる中、カリスは優雅に腰を下ろした。
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