F組へようこそ‼

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もはやこれでもかとばかりに、精神疲労を受けた桜は最後の生徒にいやいや顔を向けた。 春花の斜め前に腰掛けていた生徒がスックと立ち上がった。茶色で癖の強い長い髪の少女だ。 いや、もしかしたら男かもしれない…。カリスの前例は、可能性として捨てきれ無い。 「荻堂華乃子と言いますわ。」 ―――良かった。正真正銘の女の子だぁ~。語尾が“わ”て言うのが気になるけど、この際贅沢は言わないよぉぉぉ。 しかし、やはりココは島流の漂着地点。まともな人間がそう簡単に居るはずがなかった。 「言っときますけど…………私世界で一番っっ男がダイッッッッ嫌いですの!!!!!男なんて無用の産物!!利用価値無し、居るだけムダムダムダムダムダムダの最悪の権化ですわっ!私に三メートル以内でも近付こうものなら、即刻地獄に叩き落として殺りますからあしからず。あ、女の子達とは仲良くしたいので気軽にお声をかけて下さいね。」 何がそんなに憎いのか、教室内の戸惑う男達に鬼のような形相を向け、その他の女生徒に微笑みかけると華乃子は腰を下ろした。
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