F組へようこそ‼

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「……これで最後の生徒が自己紹介を終えたわけだが…」 葛城の表情にそれほど変化はなかったが、その声に力がなくなったのは気のせいでは無いはずだ。 「………知らない人間は居ないだろうが、一応断っておく。このクラスは学園生活において問題のある生徒が来る所だ。言い換えれば、島流の島。学園から追い出されない為の最後の砦と言った所か。」 オブラートに包んで言う気はさらさら無いらしい。そして、その言葉が少しもずれる事なく的を射ているため、当事者の生徒たちは反論のしようがなかった。 「しかし、学園側が君等を即刻退学にせず、F組と言う唯一の可能性を与えた事から見るに、まだ人生が終わったわけでは無いはずだ。…おそらくな。と言う事は君等がそれなりの頑張りを見せれば、元のクラスに戻れる可能性は無きにしもあらず。……のはずだ。」 やけに曖昧な言い回しを使う。今までの手際の良すぎる葛城からは、とても考えられない。 ――――それだけ可能性は低いってことですね、先生…。 こんなクラスに居るだけでも大変そうなのに、希望の二文字も桜達には与えられていないらしい。
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