F組へようこそ‼

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「はあ…どうもすみません。上手くいくよう日々努力はしているつもりなんですが…何故だかこんなふうに爆発とか起こしちゃうんですよね。正直、私自身神崎の一員だという事が、信じられないと言うか何と言うか…。」 ハハハと頭に手をやり笑う桜を見て、先生は諦めたように肩を落とした。 「…ハハハって、お前なぁ。そもそも今日の理科の実験は小学生でも出来るほど簡単な内容なんだぞ。なのに、中学3年にもなるお前がどうして爆発なんか起こすんだ?今日の実験で証明されたのは、お前が小学生以下だってことだけだぞ。」 桜を見る先生の目は、哀れみさえうかがえる。 先生はため息を深くついた後、静かにこう宣った。 「桜。お前は今日からF組へ移動だ。」 その一言に、周りにいた生徒達がざわめきたった。中には、懐から携帯を取り出しカメラで桜を撮ろうとする生徒もいる。『すげえ、F組だってよ。こりゃあ、ある意味で学園始まって以来の快挙じゃねえか?』『俺達は今まさに、歴史が動く瞬間に立ち会ってるんだ』 これではまるで、珍獣か何かである。 桜はシャッター音とざわめきの中で、呆然と立っていた。―――あ、悪夢だ。これは悪い夢に違いない。誰か、嘘だと言って!!
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