第零章・始まりの話

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そうこうしてる内に、遂に御神刀が鞘から抜かれた。 瞬間。 ジェットエンジンとテレビのノイズを足した様な、痛みを感じる程の耳をつんざく凄まじい轟音と共に、御神刀の刀身から大量の【何か】が溢れだした。 その【何か】は、まるで生きものの様にうねりながら、次々に天井に消えていく。 自分の目が信じられない。 人は、余りにも現実離れしたモノに遭遇すると、思考が働かなくなるらしい。 情けないけど俺は、アホ面で呆然とそれを見ているだけだった。 暫らくして轟音と【何か】は唐突に消え、辺りを静寂が支配する。 そう、さっきまでの出来事が全て幻であったかのように……。 え~と。 アレだ……その。 夢か? そう思い、頬をつねるが夢ではない。 じゃあ何だったんだ?? 俺は、持っている御神刀に目を向ける。 御神刀はただ鏡の様な刀身を静かに輝かせていた。
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