『 運命的な出会い 』

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ロミオはどうやら本当に悩んでいるようです。 そこでベンヴォーリオはその原因を聞き出そうとします。 『ロミオの時を長くする悲しみって、なんだい?』 『手に入ったら時を短くしてくれるはずのものを、手に持たない悲しみさ』 『つまり、恋か?』 『その恋を――― 』 『失ってか?』 『恋こがれる恋人の心を失ってだ』ロミオは、さっき喧嘩騒ぎがあったようだが、憎しみが生む喧嘩よりも、恋が生む苦しみの方が、遥かに激しいと嘆いた後、『俺は自分を見失っているのだ、ここにいるのはロミオ出はない、何処か他にいるのだ』と吐き出すように言いました。
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