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少しの沈黙の後、シグレは口を開く。
「そうだな。もう次の世界に行かないといけないんだ」
撫でるの止めミイと目線が合う高さまで腰を落とし真っ直ぐミイの目を見つめる。
「そんなに寂しがるなよ。絶対にまた戻ってくるから」
なるべく、明るく振る舞ったつもりでいたがミイの表情は変わることはなかった。
そんなミイの姿に見かねたシグレはとりあえず話題を変える事にした。
「そろそろ村に戻ろうか」
ミイは、顔を下に向けながら黙って頷く。
それを見たシグレは、ゆっくりと立ち上がりミイの小さな手を繋ぐと来た道を引き返していく。
空気が重い。
隣で歩くミイは、下を向いたまま一言も喋ろうとしない。
一瞬、話しをかけようか口を開こうと迷ったがそっとしとく事にした。
今のこの状況で何て言葉をかけたかいいか分からないでいた。
一年間ずっと一緒に居たから、別れが寂しいのは仕方がない事だった。
シグレ自信もミイの側に居てあげたい気持ちではあった。
しかし、今の立場上そういう我が儘を言ってはいられない。
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