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「ねぇ、お兄ちゃん」
ふと、ミイが話しかけてきた。
「お兄ちゃん達が帰ってくるまで私、頑張るから!」
何かと思えばいつもの元気のいいミイに戻っていた。
ずっと黙っていたのは、何か考えていたのかもしれない。
自分で立ち直る所を見ると十歳と言うのにいろいろと驚かされる。
さすがは、ガイルの娘だな。
「だから、お兄ちゃん達も頑張って!」
「おう、まかせろ!」
シグレもミイに負けない笑顔を作ってお互い笑い合う。
これでミイの事は一安心だな。
次の世界へ行く前にどうしてもミイの事が気がかりだった為、このようにミイが一応元気を取り戻してくれて気が楽になった。
「村が見えてきたよ」
よく見るといつの間にか村まで戻ってきていた。
帰りは坂だった分、登りより早い時間で帰って来ていた。
「シグレェー!」
遠くの方からシグレを呼ぶ声が聞こえる。
米粒みたいに小さな生き物の影が左右に揺れているのが見える。
「あっ、ノエルちゃんだ!」
その姿が何者か気づいたミイは手を振り返す。
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