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「「……かんぱーいっ!」」
海賊姿の店員から運ばれた、バカでかいビールジョッキを、稍と沙知は合わせた。
くーーーっと、呑めるところまで、呑む。
思った以上に、喉が渇いていた。
……ぁあっ、美味しーいっ!
「で……どうなんですか?ステ……」
『ステーショナリーネットの派遣は、どんな感じですか?』
すでに半分ほど呑んだジョッキを置いた沙知が、そう言うのを察して、
……ヤバいっ!
と思った稍が、とっさに遮って被せるように尋ねる。
「そ…それよりも、あれから会社がどうなったのか教えてよ?」
すると、沙知が目を輝かせて前のめりになった。
「ようやく『絶対王政』が終焉を迎えそうなんですっ!わが社の『フランス革命』ですよっ!」
ちょうど春の人事が終わって、これから株主総会の準備に追われる時期だった。
「もちろん、株主の賛同は必須ですけど。でも、あれだけの社内大改革を推し進めた面々ですからねぇ。承認されるのは間違いないです」
正直、辞めた会社のことなど、稍には興味なんてひと欠片もないが、仕方ない。
生ビールを呑みがてら聞こう、と思った。
ちょうどそのとき、店員が三種盛りのタパスを運んできた。
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