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攻めたいけれど攻められたい(ディーン)
ディーン・ミラード、帝国騎士団第一師団所属、今年三年目となる。
入隊当初は一六五センチ程度しかなかった身長は、この三年で一七六センチまで伸びた。成長期と訓練、バランスのよい十分な食事が彼を一気に少年から青年へと押し上げたと言える。
最初こそ可愛らしい少年のような顔立ちは一気に青年の面差しとなり、抱きたいと言われた少年は今では抱かれたい! と熱望されるまでの美青年になっている。
最近では逞しく凜々しくなった彼を師団長アシュレーも評価し、小さな任務を任されたり、新人の教育を任されたりもしている。
このように美しく羽化したディーンだが、絶対に他の誘いには乗らない。新人にどれだけ愛の告白を受けようが、先輩から誘われようが上手く受け流して断り続けている。
それというのも、彼には最愛の恋人がいるのだから。
現在ディーンはパニック状態になっている。
それというのも、目の前にあり得ない光景が広がっているからだった。
「ドゥー先輩が……二人……」
薄暗い場所には大きなベッドが一つあるだけ。そこに、最愛の恋人ドゥーガルドが二人いる。しかも裸で。
「どうしたディーン? ほら、こっち来いよ」
どういうことだろう? そもそも恥ずかしがり屋のドゥーガルドが裸でお出迎えというだけでも興奮するのに、それが二倍。
「ディーン、どうした?」
心配そうに一人がこちらに近づいてくる。その堂々たる出で立ち(特に下半身)にクラクラする。いつまでも初心なドゥーガルドは、性的な事には未だ顔を真っ赤にするのに。
「ドゥー先輩、裸……」
指摘すると、途端に二人とも顔を赤くする。そして大柄な体を小さくするのだ。
「だって、お前……たまには俺から誘って欲しいってよく言うじゃんかよ」
「これでも恥ずかしいんだぞ」
うん、両方ドゥーガルドで間違いない。ディーンは顔に似合わず耳まで真っ赤にして視線を逸らす彼を見て確信した。
「それより、ほら。俺達恥ずかしいんだから、お前も脱げって」
「あっ、そうだね」
何にしてもこんなに誘ってくれる事なんて稀だから、楽しまなくちゃ。なのにまだ服を着ているディーンが慌てて服のボタンに手をかけると、待機していた方のドゥーガルドがいつの間にか近づいてきていて、その手を止めた。
「勿体ないぞ、俺。折角なら俺達で脱がせてやろう」
「あぁ、そうだな俺」
右手、左手をそれぞれドゥーガルドに引かれてベッドへと連れていかれる。まだ目が白黒しているディーンはそのままドゥーガルドに服のボタンを外され、もう片方と濃厚なキスをしている。
「あっ、あっ……ドゥー先輩」
後ろからと前から、同時に攻められて気持ちいい。いつの間にこんなにキスが上手くなったんだろう?
それと一緒に前にいるドゥーガルドが大きな手を肌に這わせて、チュッチュとキスをしている。座ったまま、なんだかすごい絵面だ。
「ディーン、気持ちいいか?」
「ここ、気持ちいいだろ?」
「へ? はぁ! やぁぁ」
チュッと胸の先端を吸われて、腰がビリビリする。そこは確かに気持ちいい。でもそれはドゥーガルドだって同じだ。
「ドゥー先輩も、ココ気持ちいいでしょ?」
「まぁ、な」
「してあげましょうか?」
「……ぉぅ」
とても小さな声で真っ赤になって言うドゥーガルドは、やっぱりとても可愛く思える。
前にいたドゥーガルドの膝に向かい合って座ったディーンが、丁寧に唇で愛撫をする。ドゥーガルドの気持ち良さそうな声はやっぱり好きだ。顔、真っ赤になってる。喘ぎ声が少し太いのも、なんか可愛い。
「うっ、おいディーン、ちょっと強いっ」
「でも、このくらいの方が気持ちいいでしょ?」
「うぉ! あぁ、こらっ、ふぐぅ」
可愛い。乳首がピンと尖って硬くなって、唇で挟むとコリコリする。ぷっくりと少し膨らんで、それもいい。
けれど今はドゥーガルドが二人いる。後ろにいるドゥーガルドが、不意にディーンの乳首を摘まんだ。
「ひぁ!」
「暇だから、俺はお前を気持ちよくしてやろうかな」
「あっ、え? ちょっと待って先輩!」
ダメ、そんな風に触られたら気持ち良くなって腰が痺れてしまう。気持ちいい。
「ディーン、口が留守だぜ」
前にいるドゥーガルドに促されて、ぼんやりしてきたディーンは言われるままにドゥーガルドの乳首に吸い付く。同時に自分は攻められて、気持ち良くてクラクラしてしまう。
「こっちも気持ち良くしてやろうな」
「ディーン、平気か?」
「ひゃぃ」
後ろのドゥーガルドが香油を絡めた指を丁寧に後孔へと這わせ、中へと侵入してくる。一本でも太めの指が捻りながら出入りすると妙な気分になる。普段は弄られていないから、違和感がある。
それに、ドキドキする。そこを解されるということは、つまり……
「あの、先輩」
「どうした?」
「その……するんですか? その、僕の後ろも?」
「おう」
はっきりとした声で言われてしまって、ドキドキする。ドゥーガルドが二人いる。ディーンは後ろを解されている。もしかしてこれは……
「あの、俺……先輩に入れたいんですけれど」
「だから二人いるんだろ? なぁ、俺」
「あぁ、そうだぜ。今日はディーンの願いを叶える為に俺達いるんだからな」
や……やっぱりか!!
「そうとなれば早く準備すませちまおうな」
「俺の方は後ろの準備出来てるから、いつでもいいぜ」
前のドゥーガルドが少し恥ずかしそうに準備済みだと言い、後ろのドゥーガルドは更にディーンの準備をする。
「ドゥー先輩、俺にもさせて」
ドゥーガルドの股間に顔を埋めたディーンの目の前に、立派な逸物がある。ドゥーガルドの匂いが濃くて、興奮する。それと同時にドキドキしている。これが今から、ディーンの中に入るんだ。
チュッと先端にキスをして、筋の部分を舐める。これが好きなのは知っている。同じ部屋になって何度も肌を重ねているのだから。
「ディーン、尻上げろよ」
「へ? ひゃ! あっ……はぁぁ……」
後ろのドゥーガルドがディーンの尻を持ち上げ、後孔に指を滑り込ませる。一本だったものが二本になり、卑猥な音を立てて解されていく。硬い指が、気持ちのいい場所を擦り上げていく。
「はぁ、はぁ……やぁぁ……」
頭の中がグチャグチャになる。口の中いっぱいにドゥーガルドを頬張っているのに、同じくドゥーガルドに後ろを解されて気持ち良くされている。
幸せだし、願望も叶っている。でもいっぺんに得るには多すぎる快楽だ。
「そろそろいいぜ、俺」
「おう。大丈夫か、ディーン? 腰立つか?」
「あ……」
ヒョイと後ろのドゥーガルドに脇を抱えられる。その間に前のドゥーガルドが挿れやすいように四つん這いになって腰を上げてくれた。
すごい、後孔本当に準備されている。綺麗な色で、締まりがよくて、今は香油で濡れていてヒクヒクしている。
もうすぐに、入れられる。
「ディーン、いいぜ。その……激しくすんなよ」
「はい!」
がっちりとした腰を捉まえて、後孔へと昂ぶりを宛がう。前立腺の刺激ですっかり硬くなっている。それをゆっくりと挿入していくと、あまり抵抗もなく飲み込まれていく。
「はっ……あぁ、気持ちいい先輩」
「んぐ、ぐぅぅ、あっ、あぁ」
すんなりと受け入れてくれた部分は、中はやんわり締めつけてくる。優しく中を探るようにして抽挿をしていくと、香油もあって馴染んでいく。そうするとピッタリと吸い付くように包まれて、気持ち良くて蕩けそうになる。
「おっ、いい感じに馴染んだか? それじゃ俺も、頂くな」
「え? あっ!」
ギュッと尻を割られ、ディーンの後孔へと熱い楔が当たる。香油を纏わせたそれが、ゆっくりとディーンの中へと入ってくる。
「うっ、あぁ!!」
痛いのは少し。でも、圧倒的に苦しい。一度受け入れた事があるが、暫く違和感が消えなくて歩き方がぎこちなかった。それが、再びディーンを犯している。
「痛くないか、ディーン?」
「いたく、は、ないですっ!」
ゆっくりと進めてくれるし、香油も足してくれるから痛みは消えていく。けれどドゥーガルドのそれは太くて長くて硬い。それが、ズズッと奥の奥へと入っていく。全部受け入れただけで、最奥を突く寸前だ。
「あんま無茶すんなよ、俺。ディーンが壊れる」
「わかってるよ、全部なんて入れないったら」
「!」
これで全部入ってない? 嘘だ!
「これ以上は無理だな。んじゃ、少し動くな」
「え? はぁぁん!」
「うぐっ!」
軽く引かれて、その分突き入れられる。一気に腹を圧迫されて、気持ち良くてクラクラする。その衝撃でドゥーガルドの中のディーンも突き上げる様に動いて、前のドゥーガルドが喘いだ。
もう、訳がわからない。前が気持ちいい! 後ろも気持ちいい!!
「はぁん! ダメです先輩! お尻も前も気持ちよくておかしくなるよぉ!!」
「俺達も気持ちいいぞ」
後ろのドゥーガルドの動きが激しくなって、一緒に揺さぶられて前のドゥーガルドを追い上げる事になる。挟まれているディーンは一突きごとに頭の中が真っ白だ。こんなの気持ち良すぎておかしくなるに決まってる。
「くっ、ディーン限界か? すごい締めつけるっ」
「中もガチガチに脈打ってる……出そうなんだな?」
そ……そんなの当たり前じゃないか!!
「ひぅ! ダメ、先輩ぃ! 激しくしないでぇ」
パンパンと音がしそうなくらい激しく突き上げられて腹の中が熱くなる。奥まで届いてその度にキュンキュンしている。
それと同時にトゥーガルドの中を突き上げているから前も限界で気持ちいい。突く度にドゥーガルドが締めつけて奥へと誘ってくる。もにゅもにゅっと先端を包み込むのに全体をきゅぅぅっ! と絞り上げてくる。
「ディーン! んぐ! ぬぁぁ!」
「やっ! だめ先輩! 締めたらイッちゃう!」
「いいぜ、イケよディーン。俺も中に出すからっ!」
激しい絶頂に真っ白になって、搾り取られながら搾り取っていく。奥に感じる熱い熱と、包み込まれて放つ感じ。気持ち良すぎて気が遠くなりそう。
立っていられなくなるディーンを、後ろのドゥーガルドが抱きとめてそのまま捻るようにキスをされる。いつも終わりにしている、愛情の確認。
「あっ、ずるい俺……」
「次入れ替わったら一番譲るからさ」
次?
ヌルンと抜け出た部分からポタポタと落ちていく残滓。一緒に抜け出ると同じようにドゥーガルドの中から白濁が落ちていく。
それでも萎えないまま、ディーンは後ろのドゥーガルドに抱きかかえられて仰向けになったドゥーガルドの剛直の上に腰を落とされた。
「ひぐぅ! やぁぁ、もう無理ぃ! お腹壊れる!」
「大丈夫だって。だってこれは……」
=====
「んぅ……夢れも壊れるぅ……はぁん、ふかいよぉ」
背中にピッタリと体を寄せるように抱きしめたまま、硬くなった前を擦りつけるようにするディーンは夢の中。
けれどそれを聞いているドゥーガルドは茹でタコのように真っ赤になっていた。
どんな夢見てるんだ、ディーン! さっきから俺は何をしているんだぁ!!
「はぁん、先輩の硬いのぉ、お腹いっぱいらのにぃ、お口にも入れないれぇ」
「!!」
俺は何人いるんだ!!
ずっと熱く硬くなったものを内股に擦りつけられている。ぬるっぬるっと滑っていて、ドンドン硬くなっていく。いわゆる素股状態だ。
緩くドゥーガルドの昂ぶりにも擦りつけるから、一緒に気持ち良くなってしまう。けれどこれ、手を出していいのだろうか。
「ひゃぁ! 二回目なのにどうして二人ともそんなに硬いのぉ」
「……」
どうやら俺は二人いるらしい。
我慢できなくなったドゥーガルドが、素股状態のディーンの逸物と自分のものを一緒に握って扱く。途端に、ディーンの寝言は強く淫らになっていった。
「ひゃ! 出ちゃうよぉ!」
頼むから早く出して気付かないでくれ!!
真っ赤になりながらも切なすぎる前を擦って、二人同時に無事にイケた。
息を切らしたドゥーガルドはそっと背後を見る。頬を火照らせたままのディーンは、それでも長い睫毛を閉じたままだ。
「はぁ……」
どんな夢を見ていたのか、聞いてみたい。でも恥ずかしくて最後まで聞いていられる自信はない。
処理だけとりあえずしたドゥーガルドは、今度こそ眠れるようにと願うばかりだった。
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