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「世界を……変える?」
「あぁ」
「僕たちが?」
葉山は、黙って大きく頷いた。僕は、目を大きくしていた。
世界を変える。こんな馬鹿らしい台詞も、大学最優秀生徒が言っていると、そうそう侮れないものに聞こえてくる。
僕が呆然としていると、葉山は続けた。
「死刑判決が下された人間以外にも、生きてる価値のない人間はそこら中にいる。その中でも、特に他者を傷つけ害となる人間は、廃した方がいいんだ。皆、そう思ってる。でも、皆には力が無い。だから、生きてる価値のない人間を廃し、世界を変えられるのは、神から与えられたこの力を使える僕らしかいないんだ」
だから、協力してくれ。と、葉山は頭を下げた。
皆の代わりに、僕らがやるしか無い。僕ら以外に、こんな大きな事は出来ない。そう思ったら、僕の頭の中に出た答えは一つだった。
「分かった。やろう、僕らで世界を変えよう」
「ありがとう」
僕らはそこで握手をした。世界を変える、第一歩として。
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