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二
「おはよう、田畑君」
最寄駅から学校に向かって歩いていると、瀧沢が笑って声をかけてきた。
「おはようございます」
と、俺も笑って返した。
「葉山君は、一緒じゃ無いんですね」
「家は別方向だからね。それに、彼は学校でかなりの人気者だ」
「人気者、ですか?」
そこそこ整った顔をしているからだろうと思いながら聞くと、瀧沢は驚いた様に目を丸くして応えた。
「分からないのかい? 昨日だって、学校の女性達に声をかけられてたじゃないか。あれは、イケメンでこの学校の主席。その上、スポーツも出来るとあったら、人気が無いわけないじゃないか」
誇らしげに瀧沢は言った。
「そっか。なら、自慢のお友達ですね」
俺がそう笑うと、瀧沢は嬉しそうに笑って返した。
「あぁ。彼の友達である事が、僕らの自慢さ」
葉山が教室に来たのは、朝のホームルームの始まる五分前だった。
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