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タケちゃんは食事を食べ終えると、
いつもリビングのソファに座って録画していた番組を見るか
スポーツ専用チャンネルを見る。
今夜もいつものパターンだった。
私は洗い物をしながら、もう一度“子供の話”を振ってみた。
「そういえば、うちの弟んちの優斗くん、
タケちゃんからまたサッカー教えてもらいたいって。
昨日久々に弟からLINEきたよ。」
「へえー!サッカー好きになってくれたかな。」
タケちゃんは喜々として答える。
これは…興味あるのかな。
「優斗くんの写真もあったけど、早速地元のJリーグのチームのユニフォーム着させてた。この間帰省した時、一緒にタケちゃんとサッカーやって楽しかったらしいよ。」
「そうかぁ。じゃあ俺がプロになれるよう教えてやるかな!」
「何言ってんの、無理無理!」
私は片付け終わると、笑いながらタケちゃんの隣に座った。
「甥っ子にサッカー教えるのが楽しいなら、自分の子に教えるのはもっと楽しいよ?」
私はそう自然な感じで、テレビの画面を見ながら隣で言う。
彼の表情は見なかった。
反応が怖い。
ジワっと汗が出た。
「んー。まあね、楽しいだろうけど。今はまだいいかな。」
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