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「それはそうと、
小林くんも昨日から部屋持ち始めたんでしょ?どう?」
「もう全然ダメです。
まだ3人だけなんですけど、一人でってなったらやっぱりテンパっちゃって…。」
「初めはそんなもんだよ。私も毎日滝のような冷や汗かいてた。」
「相沢さんのそんな姿、想像出来ないです。」
小林くんは真面目な顔で私を見つめてきた。
「私も基本、不器用だから。要領悪かったんだ。」
そう。
私っていつもそうだった。
仕事だけじゃない、プライベートもそうだ。
結婚する前に、
新婚のうちに、
ちゃんと家族としての将来の事を話し合っておけばよかった。
将来の事を今更話し合うには時が経ちすぎた。
そんな気がする。
私達の間に、“将来”の話題を出すのは
漠然とだけどタブーのような、
そんな空気が流れていた。
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