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久しぶりの2連休が明け、いつもの職場へ戻った。 めぐとのランチで、ある意味現実を否応なく突き付けられた感はあったものの、 白衣になって電子カルテと向き合ってみると、これはこれで現実に引き戻される。 きちんと整理整頓された無機質なナースステーションや、 シンプルな配色の廊下を見ていると、少し落ち着く。 昨日までのごちゃごちゃとした私の心が。 この場所に来ると、スッと仕事用の私になれる。 「‥‥だから、昨日のマルク(骨髄穿刺の事で検査の一種)の結果を踏まえて、多分今日にも治療を決定するっぽい。」 深夜勤務の堀田主任から朝の申し送りを受ける。 「じゃあ明日からケモ(化学療法の事で抗がん剤治療)ですかね。」 「見せないようにしてるけど、彼、結構緊張というか、ナーバスな感じだよ。」 主任はマスクを外し、使ったワゴンを片付けながら言った。 彼、とは先日入院してきた16号の患者だ。 「若くて、突然色んな事を強いられてさ。混乱しそうな所なのに、妙ーに落ち着いててそれが逆に違和感。」 「そうですか。まだ私達とも打ち解けられるわけないですもんね。  ここに来て3日ですし。」 「ま!そこは相沢ちゃんのコミュニケーション力で何とかしてやってヨ! あたし、記録したらさっさと帰りまーす。夜の飲み会に備えて寝なきゃだから。」 日勤に引き継いで肩の荷が下りた様子の主任は、 深夜明けにも関わらず、元気にひらひらと手を振り隅っこの電カルの方へ歩いて行った。 今日は日勤だ。 休みボケもあるから気を引き締めていかないと。 なんだかんだ、この仕事は毎日が戦場。 やる事はたくさんある。
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