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「相沢さん…?疲れてます?」 その言葉にハッとなった。 お昼の休憩中、またもボーっとしてしまっていたらしい。 後輩の小林くんが隣から顔をのぞき込んでいた。 「ごめんごめん、最近寝つき悪くって。気温が上がってきて調子崩しかけてるのかな。」 いそいそと自分のお弁当箱を片付け始めた。 自分の旦那に、子供の事について少し踏み込んだ質問をしてみて あっさり撃沈しました、なんて言えるわけがない。 あの日から1週間が過ぎた。 “まだいい”と言われて、 あの後2・3日イライラが続いた。 このイライラを静めたくても、 自分だけじゃどうにもできない問題だから余計に腹が立つ。 タケちゃんは一体どう考えているんだろう。 この話、したくなくてわざと話をそらしたのか。 私はストレスで甘い物に走ってしまい、 すっかり肌が荒れてしまった。 手鏡で顔の吹き出物をチェックしていると、 「珍しいですね、いつもキレイな相沢さんが。」 「え?」 小林くんがじっと私の頬を見つめてくる。 「色白でお肌キレイなのが相沢さんのイメージだったので。」 「えぇ…そうかなぁ…。」 「そうですよ。口の周りのニキビは食事、頬はホルモンバランスが原因。」 「そうなんだ?」 「って言いません?雑誌で見ましたよ。」 「ふーん。」 鏡で見ると頬にも顎にもニキビが出来てしまっていた。 甘い物ばかり食べている事とストレス。 確かに。 どちらもこのニキビ達に影響ありそうだ。
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