メッチャ古~い石板

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 窓外は、いつしか暗くなっていた。  部屋の照明は、4人が到着した時から入っていた。  上田も、次のタバコに火をつけると、 「今回ほど、この石板に口があれば――と、思ったケースはないな……」  中川は、コーヒーを飲み干すと石板を見詰め、 「まったくだ……」  全員、石板を見詰めたまま、一言も発しなくなってしまった。  しばらくして、山野が…… 「ちょっと気分転換に、深夜喫茶でも行かないか? 5分ほどの所にあるんだが……」  中川がニッコリ笑って、 「そういうのも、いいかもな……」  片桐も笑顔で、 「じゃ、行くとするか……」  山野は石板に近付くと、 「石板クン、ちょっと待っててね……」  すると上田も石板に近付き、 「石板クン、別に待たなくてもいいよ」  4人は、またドッと爆笑した。  そしてそれぞれ、きちっとタバコの火が消えていることを確認すると、部屋の電気を消して、出て行った。  外はすっかり夜中で、やや曇ってきていたが、満月は怪し気に姿を見せていた。 「少しタバコの煙を吸いすぎたな……」  と誰かが言うと、みんな深呼吸をしてから、交差点を渡って行った。  しかし、その喫茶店は『定休日』だった。  4人は仕方なく、近くの自販機で、それぞれ適当なドリンクを買い、ブラブラとあの部屋まで戻ることにした。
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