【第65話】あやしい揺らぎ/ワーキング・メモリ

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【第65話】あやしい揺らぎ/ワーキング・メモリ

 すでに日の暮れかけた、夕方5時すぎ。  ウソのように軽くなった体で、めちゃくちゃ元気にクリニックを出ることができた。  点滴が気持ちよすぎて寝落ちしたあとトイレに行きたくて目が覚めたら、フツーにテンゴ先生が隣のベッドにいて驚いた。  タケル理事長は早々に点滴を終えて、またどこかへ旅立ったらしい。  けどまさか、そのあと先生がずっとそばで診ていてくれたとは。  あたしも点滴を抜針してもらい、シャワーを浴びたら完全に復旧作業は終わった。  今はこうして、無事に先生と並んで「聞き屋カンファランス」へと向かっている。 「いやぁ、先生。あの点滴、すごいですね」 「留置針の刺入部、どう?」 「え?」 「ん……?」  ぼうっとしているのか、隣を歩いている先生と話が噛み合わない。
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