【第66話】あやしい揺らぎ/カエル・コーポレーション

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【第66話】あやしい揺らぎ/カエル・コーポレーション

 マンションの一室というよりは、個人事務所という印象だろうか。  エレベーターを降りて3階の角部屋に入ると、生活感はまったくなかった。  玄関がバリアフリーになっているのをいいことに、土足でフローリングに上がるらしい。  ものすごく抵抗がある。 「靴、脱がなくていいんですかね」 「仕事場だから、いいらしい」  原状復帰とか考えないのかな。  待てよ、賃貸とは限らないか。  3階は全部カエル・コーポレーションって言ってたし、まさか持ちビルとか? 「ナナキダさん?」 「あ……失礼しまーす」  玄関からまっすぐ伸びた廊下のドアは取り払われ、ふたつの部屋は丸見え。  と言っても、スーツ姿の男性が静かに事務仕事をしているだけなので生活感はない。
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