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『師匠、ティサリエの事ですが。』
オーレがある日エルドを捕まえて言うには、ティサリエが彼と恋愛関係にあるらしい。
『祝言なら国王に頼もうか?』
『いえそうでは無くてですね。』
聞けばエルドがギルドの依頼を受けて不在の日に毒蜘蛛伯爵屋敷へ上がり、クメシエナやセトナを交えて今後の事を話したらしい。
これは日付が決まったのかな、と思っていたが変な方向に内容が進む。
『ティサリエがその、自分の妙な嗜好と言いますか俺に今後やって欲しい事があると切り出しまして。』
嫌な予感がする、否嫌な予感しかしないが具体的な内容を聞いてみた。
『魔力を吸収されるのが好きだと。』
『ごめんな。何か知らんがごめんよ。』
エルドは屋敷に戻るとクメシエナの帰宅を待って部屋に招き、有無を言わさず軟化魔法を掛けて踏ん張りを奪い寝台へ押し倒した。
おやおや珍しい、と驚くクメシエナの耳元でゆっくりと囁く。
『ティサリエが欲しがる物が屋敷にあるなら彼女の部屋にも置いてやりなさい。』
『ばれましたか。』
それでは代わりに良い事をしたいのですが、と王女はニヤニヤしている。どうも屋敷の魔女は若々しくて困る。
『明日はギルドで訓練の約束がある。』
『問答無用。』
エルドが諦めてクメシエナに流し込んだ軟化魔法を止めると、力を取り戻した四肢が締め上げてくる。
これは自分の興味が同性に向いた事すら嫉妬したのだ、と夫の反応に心を満たしつつ王女は自分の居場所を確かめるかの様に相手の身体を触り続けた。
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