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その後、別件の書類の提出などを済ませたアザミが連絡施設から出ると、すでに太陽が昇った後であった。
駐車場にとめていた黒い乗用車の運転席に乗り込むと同時にケータイを手に取ると、すでに片岡の前で確認を済ませたはずのヒドウからの簡潔な連絡を再び眺める。
任務完遂。怪我、問題は無。報告書を提出後、今夜中には帰宅予定。早く貴方にお会いしたいです。
「ったく、アイツこんな文章送ってきやがって。オヤジの前でにやけそうになっちまったじゃねぇか」
現在同棲中の15歳年下の愛しい恋人と久々に会える喜びを片岡の前で隠していたアザミは、車内で独りになった今、ようやく思い切りにやけることが出来たのである。
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