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「お前、俺と同い年だろ。何ババくさいこと言ってんだよ。」
「あらやだ、私ってばそんな若く見える?私今年で40歳になるのよ~?」
「……は?」
流石に驚き、俺は椎名を2度見する。
嘘だろ?
そう思いながらも、流石に動揺を隠せずにまじまじと彼を見ていると、突然彼はブハッと吹き出し、爆笑し始めた。
「あっははははははは!冗談に決まってるじゃん!騙されてる~!あははははは!」
「……なっ!お前が変なこと言うからだろ!?」
爆笑する椎名を見て、俺はでかいため息をつく。
俺、何で真面目にこんな奴の相手しているんだろ?
「俺、帰るわ。」
呆れながらその場を去ろうとした時、椎名に呼び止められた。
「待って。」
俺は彼の方を振り向く。
「…何?」
「君、名前なんて言うの?」
「は?名前?」
「まだ君の名前聞いてない。名前なんて言うの?」
そういえば、まだ自分の名前を教えていなかったな。
そう思い、俺は彼に名前を言う。
「高坂薫。さっきも言ったが経済学部の一年だ。」
「高坂…薫。」
彼は俺の名前を声にしながら、ジロジロと俺を見る。
「な…何?」
「薫君って呼んでいい?俺のことも千秋って呼んでいいからさ!」
「…別にいいけど。」
そう言うと、椎名はパァーっと笑みを見せて犬のように喜んでいた。
本当に変な奴。
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