感情を失った青年

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次の日、講義が終わり学食へ行くと、偶然椎名とばったり会ってしまった。 彼は複数人の友達と一緒にいた。 「薫君じゃん!今からお昼?」 「…そうだけど。」 椎名と話していると、周りからの視線を感じた。 椎名の友達も、ヒソヒソと何かを小声で話している。 そんなことに気づいていない椎名は、俺に詰め寄る。 「俺達も今からお昼食べるんだ!ねぇねぇ!良かったら、一緒に食べない?」 「……え。」 「えぇっ!?」 俺の後に続き、椎名の後ろにいた友達が驚いて声を上げた。 明らかに嫌がってる。 そう感じた俺は、椎名に背を向けて口を開く。 「いい。俺、1人で食べるから。」 「えっ?薫君!」 俺が椎名から離れると、すぐに椎名の友達が彼に話しかける。 何を話しているのか分からなかったが、とりあえず彼から離れることにした。 彼らから距離を置き、俺は学食で焼き魚定食を頼み、1人で食べていた。 やっぱり、1人でいる方が落ち着くな。 焼き魚をじっくり味わいながら食べていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえる。 「薫君!」 まさか……。 俺は嫌な予感かしてゆっくり振り向くと、唐揚げ定食を持った椎名がニコニコしながら立っていた。
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