0人が本棚に入れています
本棚に追加
え〜、一席おつきあいを願います。
昔から酒は百薬の長なんてことを申しましてな、体にいいなんてことを言われておりますが、まあそれも程々にするからいいもんでありまして。
「おい、おまえそんなに酒飲んで大丈夫かい?」
「大丈夫、大丈夫、ちゃんと酔い止めのトラベルミン飲んでるから」なんて…それはちょっと違う酔い止めだと思うんですが…。
「おい、かかあ、帰ったぞ」
「あらまあ、あんた酔っ払って…大丈夫かい」
「大丈夫だ、酒はな、酒は百薬の長ってんだ。いいお薬が効いてるってことですよ、な、それよりな、ちょっとこう、小腹がすいてんだ、なんか食うもんあるか」
「まったくもう、しょうがないねえ。ちょうど今日作った雑炊の残りがあるんだけど、それでいいかい?」
「おっ、さすがうちのかかあは違うね、酒のしめに雑炊たあ、最高じゃねえか」
「ほら、とりあえずこっち上がって、ここにあるだけしかないけど食べなよ。そんでね、食べ終わったら自分の家に帰りな」
「は?」
「あんたの家は隣だよ」
「ひえ〜、間違えてたか…これは失礼、いやあ、どうりでおかしいと思ってたんだ」
「何がさ」
「うちのかみさんにしちゃあ、頭にツノが生えてなかった」
おあとがよろしいようで…。
最初のコメントを投稿しよう!